BLOG|#5 名前

日本語が好き。 文字を読むのも、書くのも、なんだか落ち着く。
でも、バンドを始めた10代の頃は全然違って。
洋楽ばかりにどっぷりはまった高校生の自分は、拙い知識と英和辞書を必死にひっくり返して、英語で歌詞を書いていた。 日本語ですら自分の感情を持て余していた子供が、背伸びしてひねり出した英語。
……正直、今となってはほとんど覚えてないけど、たぶん相当ひどい代物だったはず。
黒歴史とは恋人にあてたラブソングではない、10代の頃に書いた英詞のことを言うのだ。
25歳の冬。 新しいバンドを結成することになって、最初はやっぱり「なんか横文字でかっこいい名前」を考えていた。
「今、自分が書きたいのは、日本語の詞だ。だったら、バンド名も日本語だろ!」
尖る方向を間違えていたので、かつての自分を反面教師にするようにそんな風に考えていて、そうして決めたのが、「夕立に笑う」
良い名前でしょ。
ただね、ただ。本当に一つだけ。10年経っても解決しない問題がある。
わかりますか。
グッズです。というか、デザインですね。
英語なら適当にフォントを並べるだけで、なんとなく「バンドTシャツ」っぽくサマになる。 でも、「夕立に笑う」ですよ?
一歩間違えれば、急に和食屋の店員さんっぽくなる。 あるいは、ちょっと渋めの演歌歌手の公式グッズ。 かといって崩しすぎると、せっかくの日本語の美しさが台無しになる。
「詩的であること」と「普段使いできるデザイン」の両立が、これほどまでに高い壁だとは思いもしなかった。
25歳の自分に言いたい。「お前のこだわりのせいで泣きを見るぞ」と。
今使っているロゴは、昔からの知り合いの「am」ちゃんというデザイナーの友人に依頼して作ってもらいました。
雨のイメージと、日本語でありながら直線的なデザイン。
正直これ以外の回答がないんじゃないかっていうぐらいのデザインです。
脱帽。amちゃんマジでありがとう。
バンドを始める君たちに忠告だ。
バンド名は英語にしとけ。
ではまた。

